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2018年09月12日
コンクリートのひび割れは瑕疵にあたるか

少し前に新築またはリフォームしたばかりなのに、

コンクリートの壁や床に、無数のひび割れができてしまった。

これは、瑕疵ではないのでしょうか、無償で修理を求められるのでしょうか

という施主からの相談、

または、軽微なひび割れについても、施主からのクレームに応じて、

修繕工事をしなければならないのでしょうかという施工業者からの相談は、

当事務所が、たびたびお受けする相談です。

 

コンクリートのひび割れの発生原因は、様々なものが考えられます。

まずは、その発生原因を突き止めることが重要です。

 

構造上の欠陥によって、発生したひび割れは、

瑕疵であると評価されることが多いと思われます。

 

これに対し、乾燥収縮により発生したもので、

その程度が、補修の必要性が認められない程度に軽微なもの

(ひび割れ幅がおおむね0.3ミリ以下)

である場合は、瑕疵であると評価されることは少ないと思われます。

 

ただし、構造上問題ないひび割れであっても、

美観上問題となる場所(例えば、マンションのエントランス)で

発生したひび割れは、瑕疵にあたるとされる場合があります。

判例においても、神社の拝殿のコンクリートの柱のひび割れについて、

拝殿には神社としての格調が求められるものであること

ひび割れが人目につきやすい箇所に多く発生していることなどから、

瑕疵にあたると判断した事例があります。

 

施工業者としては、

ひび割れが生じないよう、ワイヤーメッシュの配筋の施工など、

防止対策をできるだけ施しておくことや、

注文者に対し、コンクリートの性質上、ひび割れは不可避であることは、事前に

十分な説明しておくこと、そして、ひび割れが発生したときは、その原因について

十分な調査をし、注文者に理解してもらうことが重要であると考えます。

 

注文者としても、施工業者に対し、事前に十分な説明を受けておくこと、

特に、この箇所は、見た目を気にしており、

ひび割れの防止対策を実施してもらいたいということなどを、施工前に

述べておくことなどが重要であると考えます。