よくあるご質問

お客様よりお寄せいただいた、よくあるご質問についてお答えします。

クレーマー対応について

01クレームが正当なもので応じるべきなのかどうか、どうやって見極めたらよいでしょうか?

Answer

次のように考えるとよいでしょう 

  1. ①こちらにミスや落ち度のある行為があるかどうか(こちらに債務不履行や不法行為があるかどうか)
  2. ②相手方に損害が発生したかどうか
  3. ③こちらのミスと相手方の損害との間に因果関係があるかどうか
  4. ④損害の要求の範囲及び内容が、社会常識に照らして適正かどうか
  5. ⑤損害の要求の方法が、社会常識に照らして適正化どうか

02クレーマーが、「今すぐ結論を出せ。お前じゃだめだから、上の者を出せ」と言って、お店(または会社)から帰らない場合は、どうしたらいいですか。

Answer

「現在、調査中であるから。結論は今出ません。」と言って帰ってもらいましょう。この際に、何も約束しないでください。

なお、最低限、クレーマーの住所、氏名、電話番号等の連絡先は、聞き出しておきましょう。自らの連絡先を語らないようなクレーマーは相手にする必要がないですので、その時点で、顧問弁護士対応にしてもらってかまいません。

また、こちらが退去を求めているのに、帰ろうとしない場合は、不退去罪になりますし、店の中で、大声で叫ぶような場合は、威力業務妨害罪になります。警察に連絡をすることも考えましょう。

03クレーマーがこちらに対し、謝罪をするよう要求し、こちらも調査の結果、落ち度があることが判明したので、クレーマーの自宅を訪問して謝罪をすることとなりました。どのようなことに気を付ければよいですか。

Answer

クレーマーと話し合いをする際は、自社に呼ぶか、公衆の目の監視がある喫茶店などで話すのが得策です。クレーマーの指定した場所での話し合いは、暴力団関係者の者が存在したりして、長時間拘束されたり、複数人から脅迫されたりするようなおそれがあります。

しかし、こちらに落ち度があることが判明し謝罪の必要性がある等、やむを得ず、クレーマーの自宅を訪問することとなった際は、必ず複数人で出向きましょう。

そして、こちらの方針を話して、相手が納得しない場合は、相手の要求内容を聞き取り、速やかに辞去しましょう。相手が「誠意を示せ」という場合は誠意の内容を詳しく述べてもらいましょう。「会社で検討する必要がある。私の一存では決められない。」と言って、速やかに帰りましょう。

取引先や顧客に対する履行請求、債権回収について

01取引先(または顧客)が、当社の商品の代金について、支払期限が過ぎているのに、一向に支払ってくれません。当社は何度も請求書を出していますが、無視されているような状態です。どうしたらいいですか。

Answer

弁護士に依頼して、配達証明付き内容証明郵便による通知書を、取引先に発送しましょう。
内容証明郵便とは、郵便局がどのような内容の通知書を発送したかを証明してくれるものであって、配達証明付であれば、いつ相手方に配達されたかも証明されるもので、通常の請求書よりも、証拠としての価値が高く、しかも、弁護士名入りで出すことにより、相手方に対する影響力は格段に強くなります。

支払に応じなければ、法的手段に出るという一文を入れることによって、取引先からの支払を促すことになります。

02内容証明郵便による通知書を相手方に送付しましたが、相手方はいまだ支払ってきませんでした。どうしたらよいですか。

Answer

次の法的手段が採る必要があります。このような場合は、既に他社の支払も滞っているおそれがあるので、早急に対処することが必要です。
支払督促や民事訴訟が代表的なものです。また、これらは結論が出るまでに、時間がかかるため、仮差押え・仮処分等の保全手続を合わせて行うことも考えるべきです。

支払督促とは、裁判所が請求する側の言い分だけを聞いて、相手方に対し、支払督促命令を出してくれるものであり、支払督促命令が出ても、相手方がなお支払わない場合は、相手方の財産を差し押さえることができます。支払督促は、相手方を裁判所に呼び出さないので、簡単で迅速な手段でありますが、支払督促が出た後、相手方がそれに対して、異議が出れば、通常訴訟に意向することとなります。

既に相手方が当方の請求に対し、支払わない理由に関して、何らかの主張をしているような場合は、訴訟を提起して、裁判所で、争っていくことになります。

03支払督促命令や判決が出ても、相手方が支払ってきません。どうしたら、よいですか。

Answer

相手方において、差押可能な財産を有している場合は、それを差し押さえて、回収することとなります。
例えば、銀行預金、第三債務者に対する売掛債権、土地・建物などの不動産や、自動車、機械設備などの動産があります。

なお、銀行預金を差し押さえる際は、預金口座まで特定する必要はありませんが、○○銀行○○支店までは、特定をする必要があります。ですから、日常の取引先との取引の中で、相手方の取引銀行の支店名までは、万が一のために押さえておきましょう。

契約書のチェック、契約書の作成について

01当社は、取引先との間で、毎日、たくさんの取引を行っており、契約書をいちいち作るのは面倒です。契約書を作成するメリットを教えてください。

Answer
契約は双方の合意のみで成立するのが原則です。(例外的に、保証契約や、定期借地権設定契約など、契約書の作成が契約の成立要件となっているものもあります)
従って、日々の取引で契約書を作成する必要性は高いとは言えません。しかし、例えば、取引基本契約書など、すべての取引の基本的なルールを細かく定めておけば、いざ問題が発生した場合に、慌てることなく、スムーズに問題解決をすることができますし、事前にリスクを予測することもできることとなります。

また、貴社の取引先に対して、新規の取引を始めるにあたって、しっかりとした契約書を取引の相手方に事前に示すことは、貴社の信用力を自ずと高めることにもなります。

02地道な営業の結果、新規の取引先との契約がとれました。しかし、その取引先は当社に対し、取引先が事前に用意した契約書に判を押すことを求めてきました。当社としては、せっかく契約がとれたから、契約書の内容をいちいちチェックして、相手方の気を悪くしたくないのですが・・・

Answer

確かに、苦労して新規の契約がとれた場合、相手方の用意した契約書の1つ1つに目くじらを立てることは、相手方との間で気まずい関係になることが予想はされます。ただ、通常、相手方が用意した契約書は、相手方に有利に作られ、貴社にとって不利な条項が含まれていることが多いのです。
取引が始まってから、そのリスクが分かっては遅いことがあります。法的チェックと経営上の政策的な判断は別に考えていただければよいと思います。

細かい問題点は目をつぶってもよいのですが、ゆずれないポイントはしっかりと契約締結前に、見定め、修正しておく必要があると思います。

03インターネットや書籍などの、契約書のひな型を参考に、契約書を作成できるので、わざわざ弁護士に契約書を依頼する必要はないのではないでしょうか。

Answer

契約書は、個々の条項の内容が明確に定められていることはもちろんですが、必要な規定がちゃんと定められているか、全体的に整合性がとれたものとなっているかという、これらの視点も非常に重要です。
世間にあふれた情報をもとに、契約書もどきを作成することはできても、それが、全体的な整合性はとれているか、必要な規定はちゃんと定められているか、不必要な規定が事細かに規定されていないか、貴社にとって不利な条項になっていないかなど、弁護士の法的視点は多岐に及びます。

弁護士に依頼すれば、貴社にとって、一番都合のよいオンデマンドの契約書を作成してもらうことができます。

労働法務、労働審判、組合との団体交渉について

01退職した元従業員から、突然在職中の残業代が請求する内容証明郵便による通知書が届きました。どうしたらよいですか。

Answer

内容証明郵便による通知書が来た場合、この通知書を無視すると、労働審判や訴訟が提起される可能性が高いということを意識する必要があります。

残業代を経営者側が争うポイントは、
➀消滅時効の援用
②労働者性
③管理監督者であるか
④残業禁止命令や残業許可制の実態
⑤基礎賃金の根拠
⑥割増率の根拠
⑦実労働時間の計算根拠
⑧残業手当 等
多岐にわたりますので、早急に弁護士にご相談されるべきと考えます。

02会社のルールに従わず、他の従業員との協調性もない従業員を辞めたいのですが、どうしたらよいですか。

Answer

よく、解雇をしたいけど、どうしたらよいかというご相談を受けます。
しかし、解雇を問題なく行うことは、なかなかハードルが高く、解雇後に従業員が解雇の無効を訴えてきて、裁判所が解雇の無効を認められてしまったり、そこまではなくても、解決金として多大な出費が迫られてしまうことがあります。

従って、社長様としては、解雇をすることは最終的手段と考えていただきたいと考えます。
解雇理由においても、他の従業員との協調性がないというものは、あいまいであって、なかなか難しいものであります。従って、まずは、自主的に従業員から退職をするよう求めるべきです。
すなわち、適切に退職勧奨を行い、あくまで自発的に退職届を書かせるべきなのです。当事務所にご相談ください。 

03私の会社には、労働組合はないのですが、ある日、突然、ユニオンから、団体交渉を求める通知書が届きました。どう対応したらよいですか。

Answer

労働組合から団体交渉の申し入れを受けた場合は、これを正当な理由なく拒否することは、不当労働行為として、禁止されています。
従って、これを拒否することはできないと考えるべきです。会社側としては、団体交渉の申し入れを引き受けるとしても、いつどこでやるかを早急に検討し、組合側に通知する必要があります。
会社側が、貸会議室などの、時間を切って借りるところができるスペースを指定すべきです。会社の会議室で行うとなると、話し合いがいつまでも続くおそれがあります。

そして、その団体交渉までに、会社側の方針をある程度立てておく必要があります。そして、団体交渉当日は、顧問弁護士に立ち会ってもらいましょう。
このような場合は、当事務所にご相談ください。

賃貸経営をめぐる問題について

01賃料をかなり滞納している借主がいます。賃料を支払うよう何度も請求していますが、少し支払ってくるだけで、滞納が増えています。どうしたらよいですか。

Answer

弁護士名入りの内容証明郵便による通知書にて、支払いを求めれば、すんなり払ってくるケースもあります。
それでも、支払がない場合は、保証人に対する請求を検討したり、賃貸借契約を解除して明け渡しを求めることになります。

02賃料が、父親の代から、もう何十年も据え置かれています。賃料を適正な価格にあげるには、どうしたらいいですか。

Answer

一方的に賃料を上げることはできません。まずは、交渉を行うことになります。

03賃貸物件がかなり老朽化してきました。大地震が来ると倒壊する恐れもあり、建て替えをしたいのですが、まだ数軒借主もいます。どうしたら、いいでしょうか。

Answer

借主と交渉をする必要があります。
ただ、期間満了の明け渡しの意思表示を明確にするためにも、早急に内容証明郵便による通知を各借主にしておく必要があります。

法人破産・民事再生について

01 会社が立ち行かなくなり、資金繰りも厳しい状況です。弁護士に相談するタイミングは、いつですか?

Answer

弁護士に相談するのは、最後の最後だと考えられて、もう万策尽きた状態になって、初めて弁護士に相談される経営者の方が、たくさんいらっしゃいます。
破産をするにもある程度の費用が必要になります。弁護士には守秘義務があります。

相談の内容はもちろんのこと、相談にお越しになったこと自体も秘密は守られます。
早めにご相談いただくことによって、取りうる手段も複数上げることができる場合があります。お早めに相談されることをお勧めします。

02破産について、弁護士に相談する直前に、してはいけないことはなんでしょうか。

Answer

破産を申し立てた後、裁判所ないし裁判所から任命された破産管財人は、申立直近の会社のお金の流れについて、特に注意深く調査をします。

従って、使途不明金が多額に上ったりするような場合は、とても問題になります。また、特定の業者だけまとめて支払ったりするような特定の債権者だけに有利な行為や、不当に安い価格で会社の土地を売却しているなど会社の資産を不当に減少させる行為などは、裁判所ないし破産管財人から法律行為自体を否認される可能性が強いです。
そのような行為はされるべきではありません。

03会社の経営がとても厳しく、数か月前から、従業員の給与が未払いないし遅配となっています。このまま会社が倒産してしまえば、従業員の給与も支払う余地はなくなってしまい、破産という判断に踏み切れないでいます。

Answer

会社の倒産に伴い賃金が支払われないままに退職を余儀なくされた方に対しては、国は、未払賃金の立替払制度を用意しています。
速やかに申請をすることによって、従業員の生活を守ることができます。詳しいことは、弁護士にご相談ください。

遺言について

01遺言を作成しておくメリットを教えてください。

Answer

遺言のメリットは、遺産をめぐる争いを避けることができたり、あなたの遺志を尊重して、遺産を分けることができることが挙げられます。
ただ、遺言は法律上様々な決まりがあります。せっかく遺言を作成しても、法律上の決まりに沿っていないと遺言自体が無効となってしまったり、そこまではいかなくても、遺言の解釈をめぐって、相続人間で争いが生じてしまうこともあります。

また、遺留分に配慮しないと、遺留分をめぐる争いが生じてしまうこともあります。従って、弁護士に相談して作成するとよいでしょう。

02遺言作成を弁護士に依頼した場合、公正証書遺言を作成するのが一般的だそうです。公正証書遺言とはなんですか。公正証書遺言のメリットはどんなところにあるのですか。

Answer

遺言の方式には、死期が迫っているとか一般社会から隔離されているといった特別な場合の特別方式と、それ以外の通常の場合の普通方式があります。

普通方式の遺言には、遺言者が遺言の内容の全文、日付、氏名を全て自分で記載し署名の下に捺印するだけでよい「自筆証書遺言」と、公証人に作成してもらう「公正証書遺言」、遺言の内容と氏名を自書して捺印した書面を封筒に入れ封印したものを公証人に遺言書であると証明してもらう「秘密証書遺言」があります。
弁護士には、遺言について相談された場合、遺言の方式のみならず、遺言内容についてもアドバイスするのが一般的ですので、また、公正証書遺言は、公証役場に保管されますので、遺言が紛失したり偽造されたりするおそれがありません。

また、あなたが亡くなった後に、弁護士が遺言執行者となり、遺言の内容を確実に執行することが期待できます。従って、弁護士は遺言について相談された場合、公正証書遺言の作成をおすすめするのが一般的なのです。

03私の父は寝たきりですが、頭はハッキリしています。私には、きょうだいがいます。父も、相続のことを心配しており、遺言を書きたいと言っています。しかし、父が公証役場に出向くことは無理です。どうしたらよいのでしょうか。

Answer

公正証書遺言は、寝たりきりの方であっても、公証人に出張していただいて、作成することができます。

しかし、その際、公証人は遺言者に対し、遺言者の遺言能力を十分に調査します。単純に「はい」と答えるだけでは、遺言能力があるとは認めてはもらえません。病気等が進行し、受け答えがはっきりとしない状態になってしまうと、遺言は作成できないのです。また、当事務所では、出張遺言相談をしていますので、早めに相談ください。

相続の手続、遺産分割について

01父が先日亡くなりました。父には不動産、株式、など若干の遺産があります。父には、先妻の間に、子供が何人かいましたが、私たちきょうだいは、彼らが、どこで何をしているか全く知りません。どうしたらよいですか。

Answer

遺産分割をする上では、まず、相続人が誰であるかを不足なく確定することが必要です。
ご自身が、先妻の子の戸籍謄本や住民票の写しを取り寄せるには限界がありますので、お早めに弁護士に相談しましょう。 

02相続人の中に、所在が不明で全く連絡がとれない人がいます。遺産分割をする上で、どうしたら、いいでしょうか。

Answer

家庭裁判所に、不在者財産管理人の選任の申し立てを行い、不在者財産管理人と他の相続人間との間で、遺産分割を行うこととなります。
不在者財産管理人は不在者の所在が明らかになり財産の引継ぎを行うまで、不在者の財産を管理することとなります。

03夫が亡くなり、妻である私と21歳の長男、16歳の長女との間で、遺産分割を行うこととなりました。長女は未成年者ですが、遺産分割協議書の署名押印は、親権者である私がするのでしょうか。

Answer

通常、親権者である父母は、未成年者の子の法律行為について法定代理人として代理行為ができます。
しかし、本件のようなケースの場合、父の遺産を誰がどのように分割して取得するかという点で、相続人間の利害が対立する構造となっています。

このような未成年者である子供とともに、親権者である母自身も相続人である相続に関しては、母と未成年者の子との間で利益が相反することとなりますので、子供の代理人にはなれません。このような場合は、家庭裁判所に、特別代理人の選任を申し立てる必要があります。

相続放棄について

01父が亡くなりました。父には財産が何もなかったので、きょうだい間で、相続の話をしたことはありませんでした。すると、債権回収会社から、私に対し、父が生前銀行から借りていた借金の支払を求める書面が届きました。どうしたら、よいでしょうか。

Answer

相続とは、不動産や預貯金のようなプラスの財産だけでなく、銀行からの借入金の返還債務といったマイナスの財産も相続します。
従って、被相続人に債務があった場合は、相続人は、それを相続することになり、債権回収会社から、突然、相続人に被相続人の残した債務について支払いを求める書面が届くことがあります。

これらの書面を放置することはやめましょう。速やかに相続放棄の手続きをとるなり、返済が全くなされていなかった場合には消滅時効を援用することなど、支払わなくてよい手段があるかどうかを検討する必要があるからです。

02亡父に多額の債務があることを最近知りました。既に、父が亡くなってから、3か月過ぎてしまっていました。3か月過ぎたら、相続放棄は出来ないとききました。どうしたらよいでしょうか。

Answer

相続放棄は、相続開始後3か月以内にすることが法律上規定されています。これを熟慮期間といいます。

しかし、実務では、3か月以内に相続放棄の申述をしなかったことについて、相当の理由がないと明らかに判断できる場合にだけ申述を却下し、それ以外の場合には、申述を受理されています。従って、本件のようなケースでは、相続放棄が認められる可能性は高いです。弁護士にすぐに相談をしましょう。

03父に借金があることがわかり、私のお金から父の債務を返済しました。しかし、その後にほかにも父は借金をしていることがわかりました。このような場合は、もう相続放棄はできませんか?

Answer

相続人が、相続財産の全部、一部を処分した場合は、単純承認をしたものとみなされ、相続放棄ができなくなると、法律上は規定されています。
相続した父の債務の支払いに充てるお金を、父の相続財産から支弁することは処分にあたる可能性がありますが、相続人が自己の財産から支弁する場合は、「処分」にあたらず、単純承認とはみなされません。相続放棄ができる可能性が高いので、速やかに弁護士に相談されるべきです。

成年後見制度について

01浪費傾向のある父について、成年後見制度を利用することはできないのでしょうか。

Answer

旧民法においては、浪費者については、家庭裁判所により準禁治産者の宣告を受けるという制度がありました。

しかし、現在の民法においては、浪費者に関しては、成年後見制度は利用することはできなくなっております。成年後見制度は、精神上の障害により判断能力が十分でない人が対象の制度であり、精神上の障害とはいえない単なる浪費者は、制度外となっているのです。
これは、個人の尊厳や自己決定権の尊重という側面から、単なる浪費者は、制度の対象外にすべきという考えがあったからです。
しかし、浪費傾向がある方は、精神上何らかの障害を有している可能性も高いです。弁護士や医師に相談すべきだと考えます。

離婚・男女問題について

01離婚の条件のことで、妻ともめています。妻はこの件を行政書士に依頼したから、行政書士と話をしてほしいと言ってきました。そして、その行政書士は、離婚協議書を作成してきて、署名・押印をするよう求めてきました。私は、この離婚協議書の条件には納得していません。どうしたら、いいですか。

Answer

行政書士は、権利義務または事実証明に関する書類を作成することを業としているものであり、一方当事者の代理人として、相手方と交渉する権限はないのです。行政書士が、示談交渉を行うことは、非弁行為(弁護士法違反)となります。
協議が整っていない段階で、行政書士が離婚協議書を一方的に作成し、相手方に署名・押印を求める行為は、非弁行為の疑いが強く、非常に問題があります。弁護士にすぐ相談をしてください。

交通事故について

01交通事故に遭い、まだ治療中だったのですが、相手方の保険会社から治療費の打ち切りを言われてしまいました。治療を止めなければいけないのですか。

Answer

相手方保険会社から、治療費の打ち切りを言われたとしても、治療を止める必要はありません。
主治医の先生と相談して、今後も治療する必要性が認められるのであれば、保険会社と交渉して、治療費の打ち切りを撤回してもらうこともできます。

保険会社が治療費の打ち切りに関して、強硬な立場を主張した場合には、一度ご自身で治療費を立て替えていただき(自己負担額を抑えるために、健康保険を利用されるべきです)、後日、示談の段階で、自費通院分の治療費も示談の内容に含めるよう交渉することとなります。従って、自費通院分の領収証はなくさず、保管しておきましょう。
医師と相談の上、これ以上治療の効果は上がらないという判断が示されたときは、後遺障害等級認定の手続を行うこととなります。

02保険会社から示談案が示されました。保険会社の基準に基づいて出されていると言われました。
この金額に応じなければならないのでしょうか。

Answer

保険会社の基準というのは、保険会社の社内の内部基準にすぎず、概して低額なものです。
弁護士に相談すれば、適切な示談額をある程度明確に算出することができます。保険会社の示談案を鵜呑みにすることなく、弁護士に相談しましょう。

03相手方保険会社が申請していた後遺障害等級が不該当となりました。納得いきません。どうしたらいいですか。

Answer

後遺障害の認定を申請する方法は、事前認定と被害者請求があります。
事前認定は、相手方保険会社が資料を集めて自賠責保険に申請を行うもので、被害者にとって、どのような書類が自賠責保険に提出されたかわかりませんので、あまり、事前認定をおすすめはしません。
後遺障害の認定で非該当となった場合は、異議申し立てを行うことができます。弁護士にご相談ください。

ご近所トラブルについて

01分譲マンションに住んでいるのですが、上の階の人の騒音が酷くで、困っています。何とかできないのでしょうか。

Answer

まず、騒音がどれくらいの程度であるかを調査する必要があります。この場合、マンション事態の遮音性能の把握も必要となります。

騒音については、騒音計により客観的には把握できるのですが、専門の業者に依頼することも考えられます。そして、客観的に騒音被害が認められるのであれば、居住者に改善を申し入れ、改善されない場合は、差止請求や損害賠償請求をすることが考えられます。

その際には、➀騒音の程度や態様(時間帯、騒音の種類)、②管理規約違反の有無、③下階への配慮の有無、④騒音の回避可能性(容易か否かも含む)等を総合的に判断して、受忍限度内か否かで判断されることとなります。

賃借物件をめぐる問題について

01賃借物件からの退去に伴い、敷金が返還されると思いましたが、逆に、クリーニング代を支払うよう要求されました。これに従わないといけませんか。

Answer

通常の使用で損耗する箇所についての原状回復義務はないものと考えられます。
契約書で特約がある場合もありますので、契約書を持参のうえ、ご相談ください。

02先祖代々から土地を借りて、その上に家を建てて、居住してきました。私の何代か前からは、地代をいつの日からか支払わなくなり、逆に土地の固定資産税を地主に代わりずっと支払ってきました。先日、その土地を相続したという人から、地代を支払うよう要求がありました。どうしたらよいですか。

Answer

土地を時効取得している可能性も考えられます。安易に妥協しないで、一度、弁護士にご相談ください。

03事業のために、事業用定期借地権契約を締結しようと考えています。契約するうえで、注意すべきことはなんでしょうか?

Answer

期間の延長がないことや、建物の買い取り請求権がないこと、公正証書により契約書を作成する必要があることなど、様々なポイントがあります。
契約を締結する前に、弁護士に相談しておきましょう。

破産・債務整理・過払金について

01クレジットの支払いがきつく、破産をするかどうかで迷っています。このようなときに気を付けることは何ですか?

Answer

債務を整理する手続も様々なものがあります。破産をしなくてもよい場合もあります。
従って、早急に弁護士に相談されることをお勧めします。

なお、支払いが厳しい状況で、新たに借り入れをしたり、借り入れを増やすことはよくありません。また、個人的に不義理できない人だけ、一括で返してしまうというのも、債権者平等の観点から、よくありません。

02住宅ローンの支払いがきつく、しばらく滞納をしてしまっていたら、銀行から債権回収会社に債権が移ってしまって、債権回収会社から、残ローンを一括での支払いを要求されています。とても、一括で支払うことなどできません。住宅を手放さないといけないでしょうか。

Answer

個人民事再生手続のいわゆる持ち戻しという制度を使うことによって、住宅を維持しながら再生を図る方法が考えられます。
すぐに弁護士に相談してください。

03破産や債務整理をした後、どんなデメリットがありますか?

Answer

新たな借り入れをすることは厳しくなります。
自らの収入で生活をしていくことについて、なんらの制約はありません。

刑事弁護について

01自動車を運転中、不注意で交通事故を起こし、被害者に大けがを負わせてしまいました。今後、どのような処分を受ける可能性がありますか。

Answer

民事上の責任として、被害者からの損害賠償請求を受ける可能性があり、刑事上の責任として、自動車運転過失傷害罪に問われる可能性があり、行政上の処分としては、運転免許証の取り消し、停止などが、挙げられます。

交通事故は甘く見てはいけません。昨今の交通事故の厳罰化に伴い、刑事処分も以前に比べ重くなってきています。民事上の責任についても、保険会社に任せきりはよくありません。当然、刑事上の処分を決定する上で、被害者との間で示談が成立しているか否かは、とても重要な要素となります。

また、被害者の被害感情を緩和するようなケアをされているかについても(例えば、お見舞い等)、とても重要な要素になります。従って、早期に弁護士にご相談されることをお勧めします。